2017年2月10日金曜日

Thee Michelle Gun Elephant:Gear Blues

 このアルバムがミッシェル・ガン・エレファントの最高傑作であることに異論を挟む人はまずいないでしょう。


 なにがいいかって、チバのヴォーカルが最高です。ここにきて、ひとつのスタイルを確立した、そんな歌声です。
 こんなこと言うと怒る人がいるかもしれませんが、今作でのチバのヴォーカルは、カート・コバーンをも彷彿とさせるものがあります。また、あの叫び声をどのように使うかという意識も、似ているのではないかと思います。

 そんなこんなを考えながら聴いていると、ウエスト・キャバレー・ドライブやスモーキン・ビリーなど、ニルヴァーナのイン・ユーテロっぽいなと思うときもあったりします。



 フリー・デビル・ジャムやギヴ・ザ・ガロンもそうですが、グランジなみに、かなり低く重いサウンドです。それが、これまでのミッシェルの演奏してきたロックンロールと交わって、オルタナロックンロールと称すべき音になっています。この独自性が、ミッシェル・ガン・エレファントの最高傑作と言われるゆえんなのではないかと考えてます。チバ本人も、G.W.Dのことを、オルタナロカビリーガレージブルース、的な発言をしていた、という文を読んだ記憶がごぜえます。ウィキペディアで。

 最初にチバのヴォーカルが最高だということを記しましたが、サタニック・ブン・ブン・ヘッドでは、声を楽器としてみなしているらしく、そういうところにも、今作でのヴォーカルの素晴らしさが垣間みれます。
 それにしても、サタニック・ブン・ブン・ヘッドはライブで盛り上がりそうですね。絶対最前列にいたくないな。絶対メガネなくなるよ。
 また、フリー・デビル・ジャムでは、ドラムのクハラが、ブリッジ部分でヴォーカルを取っていて、ソウルフルな歌声を聴かせてくれますが、直後にヴォーカルがチバに戻ったとき、やはり全然役者が違うな、と思わずにはいられません。
 クハラも、こんな比較をされるために歌ってるわけではないと思うのでいい迷惑でしょうが、それほどチバの、ヴォーカルは素晴らしいと思います。

 ギターはアイデア豊富だし、ベースの音は低い重心でグルーヴを出している、そしてドラムはシャープでかっこいいっす、クハラさん。

 楽曲のバリエーションも豊富です。
 アッシュのメロディ、ときどきああいうメロディ聴きますが、どうゆうジャンルに根ざしてるんでしょうね、あれ。歌謡曲?だれか教えてください。
 他にもボイルド・オイルのようなoiソングもあります。キラー・ビーチはポップといっても差し支えないのでは!そしてシングルのスモーキン・ビリーとG.W.D、やっぱりかっこいい!このシングル2曲でのブレイク、たまりません。

 そして最後にダニー・ゴーです。ミッシェルがこの曲を演奏することにはこの曲はファンの間でとても人気があるそうで、ライブでは終盤やアンコールで演奏されていたみたいな文を読んだ記憶がごぜえます。ウィキペディアで。

 この曲は明るく希望に満ちたナンバーってやつですね。こういう曲が収録されているように、今作では作品のスケールも増しています。こうした作品、そしてミッシェルのようなバンドが素直にチャートアクションとして表れていたというのは、とてもいいことだったと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿